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計算化学ソフトウェア「AMBER」

 

年度末納品可能モデル

 

AMBERの概要

「Assisted Model Building with Energy Refinement」の略で分子動力学(Molecular Dynamics MD)計算ソフトの一つです。

AMBERは、生体分子のシミュレーションにAMBER力場を適用するためにプログラム群をまとめたソフトウェアとなります。
Fortran90とC言語で記述されており、主要なUnixシステムとコンパイラで使用可能になります。
最新版は毎偶数年の春にリリースされ、2020年現在AMBER 20(2020年4月にリリース)が最新版です。

AMBERプログラム一覧

LEaP
シミュレーションプログラムのための入力ファイルを準備するために使われます。
Antechamber
GAFFを使って小有機分子をパラメータ化するプロセスを自動化します。
SANDER (Simulated Annealing with NMR-Derived Energy Restraints)
中心的なシミュレーションプログラムであり、様々なオプション付きでエネルギー最小化と分子動力学のための設備を提供します。
pmemd
Bob Dukeによるsanderのより機能を限定した再実装となります。並列処理を念頭に置いて設計されており、8から16個よりも多いプロセッサで動作させた時は、sanderよりも優れたパフォーマンスを示します。
pmemd.cuda
GPUを使うことができる計算機上でシミュレーションを走らせるために作られております。
pmemd.amoeba
分極可能なAMOEBA力場における追加パラメータを取り扱うために開発されました。
nmode
固有振動を計算します。
ptraj
シミュレーション結果の数値的解析のための設備を提供します。AMBERは可視化機能を備えておりません。可視化は一般的にVMDで行われます。PtrajはAmberTools 13現在はサポートされていません。
cpptraj
シミュレーション結果をより速く解析するためにC++で作られたptrajの書き換え版です。一部の動作はOpenMPやMPIを使って並列化できます。
MM-PBSA
分子動力学シミュレーションからのスナップショットに対して近似的な溶媒計算をできます。
NAB
組み込みの核酸組立環境であり、原子レベルの記述が計算に役立つタンパク質や核酸を操作する過程を助けます。

類似ソフトと比較したAMBERの位置づけ

 生体分子向けの計算プログラムでGaussianなど外部の計算プログラムを利用した計算も可能です。
どちらかというと、原子や分子の物理的な動きをシュミレーションするための物理化学系ソフトで相互作用する粒子の系について、運動方程式を数値的に解くことで決定されます。

 

そのためGROMACSと異なり、非水溶媒での計算も可能です。生体分子の系は莫大な数の粒子から構成され、さらにその周りに多くの溶媒分子が空間的に、静電的に影響を及ぼしあっている(相互作用している)ため、こうした分子の動的過程を解析的に探ることは不可能で、MD法は数値的手法を用いることでこの問題を回避しているが、数値積分において累積誤差を生成してしまいます。これはパラメータや計算手法の適切な選択によって最小化できるが、完全には取り除けないため、結果にはわずかな誤差が生じてしまいます。

 

 また、MDシミュレーションでは定圧、等温・定圧、定積などの様々な条件を揃えた集団の計算が可能で、分子同士から界面、表面、固体(バルク)などの系が扱えます。 その際系のポテンシャル関数(静電的な位置エネルギーを表す関数と考えてもらっていいです)の精度の問題を回避するため、Gaussianなどの第一原理計算を併用して精度の問題を回避するが、計算で扱える原子数はスーパーコンピュータでも約1000個程度まで減少します。

 

原子間ポテンシャルの計算例

 分子動力学計算の一例として、原子間ポテンシャルを示します。
二つの原子間の相互作用ポテンシャルエネルギーを表すには全ポテンシャルエネルギーが原子の対の間のエネルギー寄与の和から計算できる対ポテンシャルという考え方を用います。その一つの例がレナードジョーンズ・ポテンシャルであり、分子間力を計算するために用いられます。下図はレナードジョーンズ・ポテンシャルの図で、分子間力だけでなく、固体の原子間距離の説明にも用いられている重要な図になります。

 図:レナードジョーンズ・ポテンシャルの例 縦軸をエネルギー、横軸を原子間距離としております。原子同士が近すぎると図の左側のようにエネルギーが高くなり発散します。逆に離れすぎてもエネルギーは高くなります。原子間距離が3.8Åの所が最もエネルギーが低くなっており、その原子間距離の時が最も安定であると言えます。当然他の原子や分子では安定して存在できる距離が変わってきます。

レナードジョーンズ・ポテンシャルU(r)の式は以下の通りです。

 

ここでrは原子間距離、σは相互作用を及ぼす距離に相当し、εは原子間の結合エネルギーに相当します。また、p, qはそれぞれ斥力の次数と引力の次数を示しております。一般に距離が離れても影響する力は距離rの累乗に反比例する場合が多く、以下にその例を示します。

 

電荷(Q1とQ2)の間に働く力 F=K(Q1Q2/r2) Kは真空の誘電率(8.9876×109Nm2/A2s2)
引力(質量Mとm) F=G(Mm/r2)  Gは万有引力定数(6.67259×10-11m3/s2kg)

 

 以上のように分子や原子のマクロな動きを予測するプログラムとして利用できるため、ナノマシンやタンパク質結晶の分子配列の予測などに用いることができる。AMBER力場の関数形式は次項の通りになっており、右辺第1項から順に共有結合した原子間の結合エネルギー、共有結合に関与する電子軌道の配置によるエネルギー、二重結合や孤立電子対などによる分子鎖のねじれのエネルギー、全ての原子対間の非結合エネルギー(ファンデルワールスエネルギーと静電エネルギー)となっております。

 

 この式に溶媒の条件(溶媒中にある分子と溶媒分子の相互作用)などを入れ、積分計算を行いエネルギーが最小になるように分子の構造を緩和します。分子の位置に関しては、ニュートン運動方程式を積分することにより算出します(近似計算を行います)。

 

上記計算例から解る【AMBER向けHPCの選び方】

上記計算例からも推測できるように膨大な計算を必要とする場合も多く、CUDAやマルチコアCPU、並列計算にも対応しています。

GPU計算に関しては、
PME法(Particle Mesh Ewald法 点粒子間の相互作用エネルギーの直接和を実空間における短距離ポテンシャルの直接和と長距離部分のフーリエ空間における和へ変換して高速フーリエ変換を用いて計算する)を行う場合は、Tesla K80を2基搭載しP2P通信を有効にした場合が有利になります。

GB法 (自由エネルギー計算の一種で溶媒の寄与を加えて着目する分子の自由エネルギーを算出する。溶媒及び分子の誘電率、分子中の原子の電荷、原子の半径、原子間距離、その原子からその分子の溶媒接触表面までの距離から算出される。)では対象とする系が大きくなるほど (原子数10000以上) GPUの枚数増加による加速効果が大きくなります。

 

つまり、何を、どのような環境で、どの結果が得たいのか、によってGPUの構成が変わることになってきます。
ベンチマークを見る限り、CPUに関してはHTが有効になっていないものを使用しているため、論理プロセッサ数ではなく、コア数が多い方がよいと言えます。また、XEON ES-2697 v2とv3のベンチマーク結果から、プロセッサ数が多い方(v3)が良いスコアを得たことから、メモリ量など他の条件が同じであればプロセッサ数が多い方がよいことがわかります。

AMBER向けのHPCをご用意しております。

 

CERVO Grasta Type-GS1SSW01

最短10営業日~出荷 3年間センドバック方式ハードウェア保証

オペレーティング・システム Ubuntu 18.04 LTS 64bit
プロセッサー [2 基] インテル® Xeon Silver 4116
メモリー 128GB (16GB x 8) DDR4-2400 Registered-ECC
ストレージ(標準) 240GB SSD
ストレージ(増設) 1TB エンタープライズ HDD
光学ドライブ DVD スーパーマルチ
ネットワーク [2 ポート] ギガビット (IPMI 2.0 兼用:1 ポート)
グラフィック NVIDIA® Quadro® P620 2GB-DDR5
電源ユニット 1,200W 80 Plus Platinum 認証

お客様のご要望に合わせてお見積り致しますので、お気軽にお問合せください。