有機・無機両方の元素を使って、まだ世に出ていない新しい分子を作っています。例えば医薬品や化粧品、身の回りのプラスチックを構成する分子が、どのような形（分子構造）であれば薬品として効果が出るか、早く固まって効率的に物が作れるかなど。その性質や有効性を踏まえながら、分子をデザインして生み出すのです。また、企業で商品開発に携わる研究者がゼロから実験を始めなくてもいいように、論文発表により基礎研究としての結果を提供する役割も担っています。

1台は事務処理や論文執筆などの普段使い、もう1台が分子構造の計算用で、どちらもハードウェアやスペックは同じです。分子は、コンピュータ上に描かれた形を見れば、それがどのような機能を持っているか判断できます。複数個の元素が結びつき立体となる分子はその形のパターンが膨大。研究では実際に分子そのものも作りますが、実験には時間がかかりますので、分子構造すべてのパターンを試すことはできません。あらかじめコンピュータ上で計算し、有効だと判断できた分子についてのみ実験を行うことで、無駄を省くことができるのです。

研究材料の一つとしてアミノ酸がペプチド結合したタンパク質が挙げられます。これは例えば数千個のアミノ酸が結合し、数十万の分子量を持つような大変大きなものです。そこで、まずは5個、10個といった少ない数のアミノ酸をつなげてシミュレーションを行います。それでも結合部分の手の長さや角度、アミノ酸の数の違いなどによって、数十～数百通りのパターンが生まれます。さらにアミノ酸を増やすと、百万通りにも。コンピュータでその中から有効な性質を持った分子の形をはじき出すのですが、それには量子力学の数式を使った複雑な計算を行うので、かなりのマシンパワーが必要です。

まずは計算や描画の速さに直結するCPUですね。これは6コア/12スレッドとスペックの高いものを選びました。それから8GB×4で32GBのメモリ。計算の途中、ある結果を記憶してそれを次の計算に使うといった工程が頻繁にあります。その一時記憶にハードディスクを使うと結果が出るのが遅くなりますので、容量の大きなメモリが必要です。また、一つの結果を出すのに数日間稼働させ続けるようなことが多く、静音設計であることも重要でした。

元々、アプライドさんにはコンピュータの周辺機器をよく依頼していました。今回のワークステーション導入に際しては静音設計が必須条件。水冷式にしてさらに防音材を入れるといったカスタマイズをリクエストしました。細かい要望にまで対応してもらえたのが嬉しかったですね。実際、本当に稼働しているのかと思うほど静かですよ。CPU・メモリのスペックも高く、コストパフォーマンス的にも満足です。

何か聞きたいことがあった場合に、サポートセンターではなく地元の営業担当者と直接話ができるのがいいですね。新しく機器を検討しているときの相談のレスポンスや、注文対応も早くて助かっています。

本製品 CERVO Rapid Type-X99 シリーズは、こちらをご覧ください。