記憶が結びつくときに、脳の中で何が起きているかを調べるのが私の研究です。脳の中にはいろんな神経細胞から作られた脳回路というものがあります。この脳回路の一部分を人工的に活動させたり止めたりすることで記憶の結びつきがどうなるか、また脳回路が記憶の結びつきに対してどのような役割を果たしているかを研究しています。記憶が結びつくときの神経細胞が活動している様子を顕微鏡でリアルタイムに捉え、その活動を数学的な方法を使って解析することが、近年とても重要になっています。
その理由は、医療の発達にともない、先進国で寿命が延びていることに関係しています。寿命が延びたことで、認知症や加齢にともなう記憶障害が問題視されているからです。これらの症状の改善方法を考えたときに、脳科学が必要とされていて、記憶の結びつきや、記憶を思い出す根本的な仕組みを理解することが、最終的には認知症や記憶障害に対する治療法の開発につながって行くと考えられています。
また研究には、どうして私たちは記憶しているのか、生物がどうして記憶を重要な機能として持っているのかという、生物学的な本質や答えを探す意味もあります。

日々の実験によって、膨大なデータが出てきます。『アプライド』さんのワークステーションを使うことによって、この膨大なデータの数学的な解析を短時間で実現させているのです。そして数学的な解析によって得られたデータや出てきた結果を、次の実験にすぐに活かしています。解析時間の短縮や高速化は、私の行っている研究の進捗にとって、とても大切です。実際にひとつのデータを解析するには、現在のワークステーションを使っても1週間ほどかかります。しかし以前まで使っていたものの約半分の時間で解析をしてくれることを考えると、とても速くなりました。

ワークステーションを選ぶときには、保存容量が大きいこと、データの読み書きのスピードが速いこと、計算能力の高いことなどを条件にしました。メモリを一年前に導入したモデルの倍の128GBにしたこともあって、以前に比べて性能は格段にアップしています。実験をしている間に、ワークステーションがデータ解析を行ってくれているため、並行して研究を進められています。

『アプライド』さんは、高スペックなワークステーションやBTO、パソコンなどについての情報をすぐに提供してくれます。またメールで問い合わせを行ったときは返信がすぐに届きますし、お願いごとの対応もスピーディーです。私たちの行う研究の重要性をしっかりと理解してくださっているのだと感じています。このことが、気持ちよく『アプライド』さんにお願いできる理由のひとつになっています。

これだけの規模で記憶の仕組みを解明する研究をしているのは、日本では富山大学の井ノ口研(生化学講座)だけです。実際に世界トップクラスの研究が、ここで行われています。研究には機器が重要な役割を果たしていますが、私たちはパソコンについては素人です。このような状況の中で、要求に応じて細かくカスタマイズしてくれたり、ざっくりと伝えたイメージを製品として提供してくれたりすることは、研究の大きな手助けになっています。現在の機器は、動作が安定していることもあり研究を進めやすく、安心して取り引きができます。