【導入事例 Vol.9】
広島大学 教授 山本 春行

地盤・建築基礎工学が専門。主に基礎構造の解析的研究に携わっていたが、国際協力研究科に就任後は、持続可能な基礎工法の開発のため、地盤そのものの特性を生かした工法の可能性を探っている。

■先生が取り組まれているのは、どのような研究ですか?

主に途上国での活用を目指して、地盤補強や基礎工法についての研究をしています。身近にある材料や道具を使って、より安全で安価なインフラ設備のための工法の確立を進めています。また、地震をはじめとした地盤防災工学にも力を入れています。

■具体的にはどういった内容ですか?

建築資材として「土のう」に注目した研究があります。土はどこでも手に入るうえ、袋に入れると張力が働き、耐荷力が非常に高くなります。軟弱地盤に「土のう」を敷くと安定した基礎づくりができますし、積み重ねて簡易な構造物の壁にもできます。断熱効果も高いので、モンゴルのプロジェクトでは防寒のための家畜用シェルターをつくりました。
土は、粒が大きければ互いにかみ合い滑りにくくなります。逆に、小さな粒が隙間なく詰まるとスムースで滑りやすくなります。こういった特徴を活用して、免震の構造についても研究をしています。

■ワークステーションはどのような用途で使われていますか?

さまざまなケースでの力学的なモデル解析を行っています。「土のう」の、幅、厚さ、奥行きを変えた場合の強度の解析だったり、土の種類や粒の大きさの違いによって生じる動きの違いをシミュレーションして、減衰特性や滑りやすさなどを計算したりします。
「土のう」の長所は古くから知られていましたが、建築資材とするためには、きちんとした計算が成り立たなければいけません。どういった条件で、どれくらい強度が保てるかなどFEM等の数値計算を用いて客観的な数値を導き出し、工法としてより精度を高める解析を進めています。

■今回のワークステーション導入において、最も重視したことは何でしたか?

数値力学計算などが得意なFORTRANを用いるのが目的だったので、処理のスピードと、昼夜問わず動き続けるための耐久性が重要でした。あとは費用との兼ね合いですね。
最終的には、OSは大学のライセンスを使ってインストールし、CPU、メモリ、グラフィックボードのバランスを調整して、予算の範囲内でコストパフォーマンスの高い仕様に仕上げていただきました。

■コンピュータの性能に伴い、研究環境は変化しましたか?

計算スピードが速くなりました。これまで1週間くらいかかった計算も2~4日でできます。スピードが3倍になれば、同じ時間で3倍のパラメーターが試せるということになりますから、その分、解析の精度が上がるわけです。 また、解析以前の問題として、入力データにミスがある場合、それが早く分かるのもうれしい。間違いに気づくのが3日後と1週間後とでは全く違いますから。

■弊社の製品を選んでいただいた決め手を教えていただけますか?

営業マンの熱意ですね。前向きな姿勢や積極的な提案は、こちらにとってもありがたいものです。また、困ったことや問い合わせにも素早く対応してくれるので、助かっています。サポート体制は業者選びの重要なファクターですが、満足しています。

■弊社の製品をお使いいただいた感想をお聞かせください。

24時間休むことなく2年程度フル稼働していますが、今まで、故障もトラブルもありません。ワークステーションは、デスクのすぐ近くに置いているのですが、音もほとんど気にならないので快適です。
学生用として、データ入力や通常の計算用にパッケージ製品も使っていますが、そちらも順調に動いています。最近、M.2規格のSSDを採用した新製品も導入しました。圧倒的に起動が速いので快適です。